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J CONSULTING / 知見 02

SaaS営業の受注率を高める商談設計|初回商談から社内稟議まで

SaaS営業では、商談担当者から好意的な反応を得たにもかかわらず、その後検討が進まないことがあります。

2026.07.22SaaS営業

商談では、

「社内で検討します」 「上司に確認します」 「一度持ち帰ります」

と言われ、その後は何度連絡しても「まだ検討中」という状態が続きます。

原因の一つは、初回商談が担当者への商品説明で終わり、社内稟議や意思決定まで設計されていないことです。

SaaS営業では、目の前の担当者に納得してもらうだけでは受注できません。

担当者が社内で提案し、関係者の合意を得て、予算を確保し、決裁者から承認を受ける必要があります。

そのため、営業担当者は顧客の意思決定プロセス全体を支援する必要があります。

初回商談の目的は、商品説明だけではない

初回商談では、機能や料金を説明する前に、顧客の課題と意思決定の流れを確認する必要があります。

確認すべき主な項目は次のとおりです。

サービスの説明だけでは、「便利そう」で終わります。

課題による事業上の影響を明確にすることで、顧客が今導入する理由をつくれます。

関係者を整理する

利用者

実際にサービスを使用する人です。操作性や業務負担を重視します。

推進担当者

社内で導入を進める人です。社内説明のしやすさや導入後の成功を重視します。

管理職

部署全体の生産性、管理、標準化などを重視します。

情報システム・法務・セキュリティ担当者

システム連携、セキュリティ、契約条件、個人情報の管理などを確認します。

決裁者

費用対効果、事業への影響、投資回収、リスクを重視します。

関係者ごとに関心が異なるため、同じ資料と同じ説明だけでは不十分です。

誰に、どの価値を伝えるべきかを整理する必要があります。

担当者が社内説明できる状態をつくる

多くの場合、営業担当者が決裁者に直接説明できるとは限りません。

目の前の担当者が、営業担当者の代わりに社内でサービスを説明します。

しかし担当者は、自社サービスの営業担当者ではありません。

商談で聞いた内容をすべて正確に説明できるとは限らず、資料をそのまま転送するだけになることもあります。

そのため、社内説明に必要な情報を営業側から用意する必要があります。

例えば、

を1つの資料にまとめます。

単なるサービス紹介資料ではなく、顧客がそのまま社内で説明できる資料にすることが重要です。

ROIは、顧客と一緒に計算する

SaaSの費用対効果を示す際、一般的な導入効果だけを説明しても説得力は弱くなります。

顧客の実際の数値を使って試算する必要があります。

例えば、業務効率化SaaSであれば、

を確認します。

仮に、

であれば、

20人 × 3時間 × 3,000円月18万円の削減効果

と試算できます。

年間利用料が120万円であれば、年間216万円の削減効果に対して120万円の投資となります。

ただし、無理に大きな効果を見せる必要はありません。顧客と条件を確認し、納得できる計算を行うことが重要です。

商談ごとに次の行動を決める

商談終了時に、

「それでは社内でご検討ください」

で終わると、案件の主導権を失います。

商談では、必ず次の行動を具体的に決めます。

例えば、

という形です。

「検討する」ではなく、誰が、何を、いつまでに行うのかを明確にします。

商談後のフォローは、状況確認だけにしない

商談後に、

「その後、検討状況はいかがでしょうか」

と連絡するだけでは、検討が進む理由にはなりません。

フォローでは、顧客の検討を前に進める情報を提供します。

例えば、

などです。

営業担当者の役割は、状況を確認することではなく、顧客が意思決定できない原因を解消することです。

受注につながる商談設計の流れ

初回商談

課題、影響、関係者、意思決定プロセスを確認します。

2回目の商談

顧客の課題に合わせた提案と、具体的な導入効果を提示します。

トライアル・検証

成功条件とKPIを決め、価値を検証します。

稟議支援

ROI、導入目的、費用、事例、リスク対策をまとめます。

決裁者との商談

機能ではなく、事業上の価値と投資判断に必要な情報を伝えます。

契約・導入

契約条件、スケジュール、導入後の支援体制を明確にします。

まとめ|SaaS営業は、顧客の意思決定を支援する仕事

SaaS営業では、担当者にサービスを気に入ってもらうだけでは受注できません。

担当者が社内で説明し、利用者、管理職、情報システム部門、決裁者から合意を得る必要があります。

そのため営業担当者は、

必要があります。

商談を商品説明の場として捉えるのではなく、顧客の意思決定を前に進めるプロセスとして設計することが、受注率の向上につながります。

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